3000メートルの高所ではすべての現実は色あせ
シューレアリズムの神話が生き返る
時間を友に宇宙と交わる
光が風景を運んできて 風と共に風景が消える
すべてを覆い隠すベールの彼方に
ぽっかりあいた穴が広がり空が現れる
時空の中に道を見つけて先に進む

人は山から元気をもらう
そしてイマジネーションをもらう
現実に舞い戻るタイミングを計りながら山を行く
突如として
すぱっと切れ落ちた足の下に昔話の世界が
浮かびあがる
再び極彩色の秋が待っている
そして、夢の中の夢を何度も覚めるように山を
下って行く
数時間後に現実はリアリティを取り戻し
目の前の風景は
思い出という名の記憶回路に組み込まれていく

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